メニュー
☎ 028-633-9115
クリニック案内

院長のひとりごと コラム- column -

地震と計画停電と日本人気質
更新日:2011/03/25

地震と計画停電と日本人気質 この度の東日本大震災(東北関東大震災と呼ぶメディアもありどちらが正しいのでしょうか?)は千年に一度の災害と言われるほどの大災害となり、お 亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、避難生活をされている方々の支援と復興が一刻も早く進みますよう願うばかりです。

ここ宇都宮もかなりの揺れを感じ、地震のあった2時46分は午後の診察に下りようと私は5Fにおりました。「あ、地震だ!」と思うもそう大きくはな いだろうと高(たか)を括(くく)っていたところ、収まる気配はなく逆に地震は大きくなるばかり! 次第に時計が落ちたり本棚から本が崩れ落ちたりと普段 感じる地震とは全く異なる事態に、思わず買ったばかりのテレビが倒れると思い必死に抑えていました。
揺れが大きいのも怖かったのですが、時間が長いことも恐怖を刻一刻と助長させました。

「天井が落ちてきたら助からないな」と思いつつも他に落ちそうなものは何だろうと上を見上げて蛍光灯がどうか落ちて来ないよう、それだけを祈って動けずにいたように思います。

 ここまでを振り返っても大地震に遭遇したことがないせいか、テレビを抑えたり、天井を見ていたりとどこか平和ボケしている自分がよく伺えます。やはり地震のときは身の安全と避難経路をどうするか、それを優先して考えなければならないですね。

 

 さて、その後計画停電なるものが開始され、当初は実施するのか、しないのかよく分からず「計画停電ではなく無計画停電」などと思っていましたが、 徐々にスムーズな通達と実施がされてきているように思います(しかし今度は25グループに分けるとか。本当に大丈夫なのだろうか・・・)。
 当院は発表時「第3グループ」と報じられ、そのつもりでいたところ、水曜日9:50(第5グループの時間帯)突如全てのものが消えてしまいました。
「アレっ?」と外に出て確認してみると、同じ町内でも通り沿いの家や店は全て停電しており、1件なかに入ると電気はついている。再度前日に東京電力のHP からプリントアウトしたグループ分けの表や新聞を確認するもやはり「第3グループ」。事態が呑み込めない状況でしたが、休診日だったことがとても幸い。診 療中に止まっていたらと思うとゾッとします。
なかなか繋がらないコールセンターにしつこく何度もかけてみましたが、先方はもっと強敵! 全く繋がらない!! はて「第3グループ」なのか「第5グルー プ」なのか、発表は第3グループだけなのに何故、同じ町内で分かれるのか?? 「不測の事態ってこうやって人の不安を増長させるんだなー」と自分に感心し てみたりしながら
や~~っと!コールセンターに繋がる。番地を告げ、担当者から折り返し電話させると聞き思わず「それは今日じゅうですか?」と聞き直すと「はい、今日じゅ うです!」と返答をもらう。電話を切ったあとに夜遅くに電話をもらった場合、その間翌日の診療時間の案内も作れないし、職員にも連絡が出来ない事に気付 く。また新たな不安との葛藤が始まり、考えなければならない事がゴチャゴチャしてきたので、やる必要がある項目と内容を紙に書き出し時間を過ごす。これが なかなか今回よかったように思います。
そうしていると夕方に東京電力から待ちに待っていた電話が! こちらも聞くことが整理出来ていたので無駄に嫌味を言ったり、感情的になることもなく事態も理解でき、今後の予定も多少分かった。担当者はずっと電話対応に追われていると見えて、やや声が枯れ気味でした。

そこで分かったこと。 何と当院は「第5グループ」でした。同じ町内でも変電所からの電力の供給は若干変わる場所があるとのことで、中にはある建物だけがポツンと停電時間が異なるなんてところもあったようです。


 当院の目の前の信号は「第3グループ」で、こちらが停電時でも動いています。初めて信号が停電になった時、それは夜でした。T字路から大通りへ出たい車はなかなか出られずにいましたが、この時警察官はこの信号には立っておらず、よく事故が起こらなかったものです。
それからしばらくたってのこと、家族総出で停電の信号を「この信号がついていないのは珍しいから」と見に行ったのであります(窓からも見えるのに)。近隣 の他の信号はどうかと横断歩道のそばまで寄って辺りを見渡していますと、3車線ある大通りの自動車がスッと止まったではありませんか(それも我々がいたの は、自動車から見て、T字路を超えたところの横断歩道そばの歩道で、つまり自動車は交差点に進入せず、停止線で止まってられました)。その後ろに数台ずつ 車が止まるも、クラクション1つ鳴らす車はおらず、見上げたもんだな日本人(宇都宮人が特になのでしょうか?)と改めて感心させられました。
横断歩道を渡りたかったわけでもないのに、わざわざ止まっていただいて通行中のドライバーの皆さん、ご迷惑をおかけしてゴメンナサイ。そして止まっていただきありがとうございました。
 その後新聞でも、各国メディアが日本人の冷静さやマナーの良さ、略奪や暴動が一切ないことを大々的に取り上げ報道していましたが、そんなことを身近に感じる1コマでした。

栃木県には福島県からを中心に被災者の受け入れが始まっています。個人的に避難されてきた方もおられ、当院を受診された方もおられます。 今こそ、何か少しでも役に立てることがあればと思う毎日です

院長のひとりごと コラム一覧に戻る
このページのトップへ戻る