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診療案内

のどの病気- throat -

扁桃炎

大きい扁桃は手術したほうがいいか…?

学校検診で扁桃肥大と言われた場合は、口の中にある口蓋扁桃の肥大を意味します。子供では口蓋扁桃と鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)が徐々に大きくなり、口蓋扁桃は6歳頃、アデノイドは4~5歳頃に最大となります。その後自然に小さくなるので、このころに症状がなければ手術をする必要はありません。ただし、症状がなくても腫瘍等の場合は手術が必要ですが子どもではごく稀です。

手術が必要となる原因は大きく分けて3つあり、①炎症を繰り返す場合、②大きすぎて呼吸や食事に支障が出る場合(睡眠時無呼吸など)、③扁桃が原因で、離れた臓器に影響してくる場合があげられます。もともとは必ずしも口蓋扁桃が大きくないこともありますが、年に4~5回以上、扁桃炎を繰り返し時は手術の適応です。②は睡眠中のいびき、無呼吸、日中の眠気、口呼吸、食事が遅く肉の塊などが飲み込めない、声がこもるなどの症状が起こります。③は扁桃病巣感染症と言って、皮膚疾患、腎疾患などが起こる場合は手術が必要となります。

扁桃は学童期に徐々に小さくなり、炎症もおさまってくることが大半ですが、20歳前後の頃に再び扁桃炎を繰り返すことがあります。この時期に手術をする場合、1週間程度の入院が仕事や学校などに差し支えることから(「小さい頃に手術をしておけば良かったのに!」と言われることもしばしばですので)、十分な適応があれば、小児期に手術を検討することをお勧めします。

扁桃炎について

扁桃(主に口蓋扁桃)にウィルスや細菌により感染がおこり、発熱やのどの痛みを伴います。
細菌感染では溶連菌が原因となることが多く、ペニシリンをはじめとした抗菌薬の効果は現在でも良好です。一般的にウィルスによる扁桃炎と比較し、溶連菌などの細菌が原因の扁桃炎の方が、咽頭痛や発熱などの症状も強く出ます。また以前は溶連菌感染症が原因でリウマチ熱や糸球体腎炎を起こし後遺症が残ることもありました。これらの後遺症は最近日本では経験することが減りましたが、これは生活環境の改善に加え抗菌薬治療の普及によるものです。以上のことから溶連菌性扁桃炎に対しては重症度に応じて適切な抗菌薬治療を行った方がいいと考えられています。
一方で、近年ペニシリン系抗菌薬による溶連菌の除菌率の低下や治療の失敗例の増加が報告されています。原因は様々な要因がありますが、一つに抗菌薬の内服の仕方の問題が言われています。例えば、扁桃炎で内服するペニシリン系やセフェム系の抗菌薬は1日3回朝昼夕で5日間内服することが多いですが、幼稚園や保育園に通園している場合は、昼の分が飲めなかったり、熱が下がったからと言って自己判断で内服を中止してしまったりすると、溶連菌の十分な除菌が出来ず、せっかく薬を飲んでも治療が成功しません。そのためには抗菌薬は用法を守ってきっちりと内服することが重要です。

 

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