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診療案内

鼻の病気- nose -

アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が鼻の粘膜に付着して、アレルゲンを体内に入れないためにくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が過剰に起こる病気です。

アレルギー性鼻炎には季節性のものと通年性のものがあり、季節性の原因物質にはスギやヒノキ、ブタクサなどがあり、通年性にはハウスダスト、ダニなどがあります。

治療の原則は、原因物質の除去となります。症状を抑えるために対処療法として、抗アレルギー薬の内服や点鼻薬を使います。アレルギー性鼻炎の原因物質が分かれば減感作療法という治療があります。

 

スギ花粉症について

毎年恒例のスギ花粉症。かねてよりお薬による治療はお早めに❕と、よく耳にされていたのではないかと思います。こういった、症状がひどくなる前、もしくは花粉の飛び始める前にお薬を開始する治療法を「初期治療」といいます。

従来、初期治療は花粉が飛び始める1週間~2週間前から服薬を開始するといい!と言われています。しかし、「それっていつ❓」という疑問を私は長年抱いていました。

ここ宇都宮近辺は例年、2月20日前後に花粉の飛散が開始となりますので、それを目安に1週間や2週間前から服薬を開始すれば初期治療の時期としては完璧だと思います。しかし、花粉の飛散は天候の影響を受け、その年により遅れたり早まったりします。寒さが戻り雪も降る年は飛散が遅れ、暖冬の年は早く飛び始めます。

花粉症の症状が出始めるのは大きく分けて2パターンありますが、その前に、「飛散の開始」の定義について触れておきましょう。

花粉が飛んでいるかどうかは、全国各所で計測がされています。その観測は一般にダーラム型花粉捕集器を用いて行われ、1月以降で設置されているスライドグラス上に付着するスギ花粉の数が最初に1cmあたり1個以上になった日が2日以上続くと、その地域の飛散開始日となります(公益財団法人日本アレルギー協会 花粉情報標準化委員会の定義より)。

よって、飛散開始日より前からチョロチョロと花粉は飛び始めているわけです。

この飛散開始日の前から、くしゃみ、水鼻、鼻づまり、目のかゆみ、のどのイガイガや痒みなど、花粉によるアレルギー症状を認め始める「高感受性」とよばれる方達と、飛散が始まった後から症状が出始める「低感受性」の2つにパターンとして分類ができます。

早い人は年が明けると1月中旬頃から「なんだか鼻がムズムズしてきた」といって受診されます。こういった高感受性グループの方々は、少しでも症状を感じ始めたら服薬を開始されることをお勧めしています。

一方、低感受性グループの方達にはテレビなどで「春一番がそろそろ吹くぞー」と言い出したら、その辺りから服薬を始めてください。とお伝えしています。暖かくなり、春一番が吹くころ、その辺りが花粉の飛散開始日と重なります(宇都宮はその1週間ほど遅くなる場合がありますが)。

他に、「朝や晩に鼻の症状がひどい!」といった場合はどうでしょう。

朝おきると、とたんに「くしゃみや鼻水」が出始める現象を「モーニングアタック」などと呼びます。起きがけに自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わるタイミングが、ちょっとうまくいかないことが原因ではないか⁉と言われていますが、これはまだ全容解明とはいっていません。

花粉症によるアレルギー反応はすぐ反応する経路と、しばらく時間が経ってから反応する経路があります。夜になると鼻がつまって眠れない!などという症状はこの後から反応を起こす経路のしわざかもしれません。

こういった症状がお薬だけでコントロールしきれない場合、私は「鼻うがい」をおススメしています。

朝と夜、もしくは夕方、帰宅後に鼻うがいをすることで、鼻の中をスッキリし、その後の症状を緩和させてくれることに期待できます。

 

副鼻腔炎(蓄膿症)について

副鼻腔(ふくびくう)炎は鼻と隣接する4つの空洞(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)に炎症がおこり、鼻づまりや粘り気のある色のついた鼻水が出たり、額や目の周囲の痛みなどの症状が出ます。

副鼻腔炎には急性のものと慢性のものがあります。症状が3ヵ月以上続く慢性化した場合は抗菌薬を長期間服用するマクロライド少量長期療法を行います。それでも治らない場合は手術加療が必要となる場合があります。

長引く鼻づまりや匂いが分かりずらいなどの症状が気になる方は耳鼻科受診をお勧めします。

鼻出血について

鼻血を繰り返すのは病気⁉

お子さんの場合、鼻をこする、いじる、ほじる、鼻をかむなどの刺激によって鼻の前方の鼻中隔(左右を分ける真ん中の柱)粘膜に傷がついて出血する場合がほとんどです。この場合、鼻をつまむだけで止血することがほとんどですが、一旦出血すると、傷がついた粘膜にかさぶたがつきます。それが気になり触ってしまうことで、再出血を繰り返します。したがって、繰り返していても、短時間で止まる鼻血の場合は、他の病気によるものの可能性は低いのでまず心配ありません。逆に鼻をつまんでいても、長時間出血が続く場合は、基礎疾患が隠れている可能性があるので、診察を受けることをお勧めします。

鼻血が出たらどうしたらいいの⁉

鼻血は、鼻中隔(鼻の穴の左右を分ける仕切り)から出ることがほとんどです。この場所はキーゼルバッハ部位と言って、鼻の入り口から約1センチの鼻中隔の前下方に位置します。粘膜のすぐ下を血管が網目状に集まっている血流の豊富な場所で、鼻に指を入れていじると、ちょうど指先が当たる位置のため出血しやすいのです。よってお子さんでは鼻を触るクセのある場合が多いことから子供の鼻血は繰り返すことが多く、また鼻粘膜は薄いので、直接指を入れなくても手で鼻をこするだけで傷ついて出血する場合もあります。止血の方法は、キーゼルバッハ部位を圧迫することです。具体的には親指と人差し指で小鼻をしっかりつまんで左右から鼻中隔を挟み込むように圧迫します。10分程度圧迫すると鼻血が止まります。この時、特にお子さんは座らせて軽くうつむいた姿勢にし、口の方へ流れ込んだ血液は飲み込まないように洗面器やタオルに吐き出させてください。座るのが難しければ横向きに寝かせても構いませんが、仰向けに寝かせると、喉に流れ込んだ血液を飲んでしまい、後で気分が悪くなったり、吐いたり、お腹が痛くなったりしますので注意してください。鼻の付け根をつまんだり、首の後ろを叩くなどの行為は根拠がなく、止血効果はありません。圧迫で止まらない場合は、キーゼルバッハ部位以外からの出血や、血液疾患など全身の病気が原因の可能性がありますので、受診されることをお勧めします。

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