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院長のひとりごと コラム > 道路交通法改訂と睡眠障害
2014年10月08日

平成26年6月より道路交通法が一部改訂されました

では、いったい何が変わったのでしょうか?

→それは、運転免許の交付や更新を拒否する理由として、一定の病気の方を的確に把握するための法的整備がなされました。その中の1つとして、

重度の眠気を呈する睡眠障害」という項目が含まれています。

 

*ちなみに睡眠障害とは睡眠時無呼吸症候群を含む睡眠障害国際分類第2版に掲載されている80以上の病名をさします。

 

具体的な改訂点は以下のとおりになります。

1.運転免許証の取得や更新時、重度の眠気がある(あった)にも関わらず故意に

  公安委員会の質問表に『いいえ』をつけた場合、罰則の対象となることがあります。

 (懲役1年以下、もしくは罰金30万円以下とかなり重い罰則!)

2.眠気の自覚があるにも関わらず診断、治療を受けていない場合、免許証の交付や

  更新が保留されることがあります 。

 (診断、治療を開始されるまで約3か月を目途に保留されるようです。眠気などの自覚がありながら先延ばしにされている方や、それにより事故を起こされた方などが対象となるのではないかと思われます。慌てて病院を受診し、「すぐに診断をつけてほしい!」と仰っても、検査予約の都合ですぐには出来ない事が予想されます。このような事態となる前に受診されることを是非ともお勧めします!)

 

この道交法改訂以降、交通事故にて警察より免許証の保有につき(運転中に眠くならないかの判断材料として)診断書の提出を求められることが急増しております。また、更新時にも診断書の提出を求められる事も増えてきました。

 

治療効果の目標!

CPAP治療をされている方は、一般に症状が改善するであろう言われている十分な治療の目安として 、

①1日4時間以上の使用

②月70%以上の使用      この2点があげられます。

 

一方、睡眠障害にて内服治療をされている方は

確実な服薬にて眠気のコントロールが十分なされている状態をさします。

 

当院で1年以上CPAPを使用されている方214例の使用状況をみてみると 、

70%未満

70%以上

4時間未満

93

16

4時間以上

9

92

と、平均使用時間4時間以上、使用頻度70%以上を満たしている方は92例、一方、双方とも満たさない方のは93例でほぼ半々という個人的には結構ショッキングな結果でした(もっといいかな!と思っていたので)。

 

睡眠障害(過眠症)の方の注意事項!

○特発性過眠症やナルコレプシーなどの睡眠障害で内服治療をされている方は、お薬を服

用しない日は絶対に車の運転をしないで下さい。

服用せずに運転して事故を起こした場合、それは重大な過失として取り扱われています。

これは、鹿沼のクレーン車事故(この場合てんかんでしたが)の判例が基準となっているようです。

有罪となった判決ポイントの1つに、

薬を服用しなければいけない事を分かっているにもかかわらず、薬を飲まずに運転して事故を起こしたことは重大な過失に値する!

と述べられています。ちなみに運転した距離や時間は一切含まれていません。

 

十分な治療を!

○これらは十分な治療がなされていれば、免許証所持に問題(心配)はありませんのでご安心ください。(但し、診断書の提出を求められる場合があります)

治療にて眠気を抑えることができるのであれば、それは十分に行われるべきといった社会的義務や責任を求められる時代となってまいりました。

ご自身の身を守れるのはCPAPであれば使用状況、睡眠障害は服薬状況が全てです。

また、睡眠不足が影響している場合、医療の面からは治療の一環として睡眠時間の確保が必要という判断となり、「睡眠不足症候群」という病名になります。しかしこれは道路交通法の見解からすると「過労運転等」として交通違反の対症となる可能性があるようです。ところがこの過労運転、調べてみるとその罰則は重く、居眠り運転をしてしまうほどの状況とのことから、酒気帯び運転とほぼ同様の罰則となっています。日本人は世界的にみても睡眠時間が少ない国民です。寝るということは生きる上でとても重要なことですので是非、トータルケアを心がけてください 。

運転免許取得や更新の際、ご自身の眠気や病気、治療の状況などの申告について

ご不明な点がございましたら、鹿沼の免許センターもしくはお近くの警察署で

(交番ではなく!)相談窓口を設けているそうですので、そちらへお気軽にご相談ください

(とのことです!)。

運転免許センター tel  0289-76-0110

また、いびきや眠気についての栃木県警察HPは下記よりどうぞ!
http://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/tetuzuki/ess.html

 

堂々と運転するために!

上述の通り今回の道交法改訂後、更新時に診断書をもらってくるよう言われる方や事故により警察より診断書の提出を求められることが明らかに増えてきました。特に警察から照会のあった方はCPAPの使用状況が十分といえない方が多く、作成にはかなり頭を悩ませて書いています。かといって診断書にウソは書けませんのでCPAPをご使用の方は十分な使用をお願いします。当院でもこれまで症状の改善とCPAPの使い勝手に問題がなければ上記の使用状況はそこまで厳密に指導はしてきませんでした。それは患者さん一人ひとりの生活リズムや状況が異なる為、帰宅が遅い方や睡眠時間が短めな方でも日中の活動に問題がなければよしとしてきました。しかし世間のニーズが法的に変わった今、これは伝えていかなければならないため、個々の事例に基づきどのようにしたら満たす事ができるか患者さんと相談しながら模索していきたいと思います。

また、内服治療をされている方で休日はお薬を服用しないという方がおられます。そのこと自体は結構ですが、くれぐれもその日はハンドルを絶対に握らないでください。よくすぐ近くまでだから大丈夫と勘違いをされている方がいますが、それは大きな過りです。服薬せずに事故を起こしたら司法は絶対許してくれません!

飲(服薬)んだら乗れる!

飲(服薬)まぬなら乗るな!     あまりゴロがよろしくありませんが…

どうかお気をつけて…

 

皆さん、せっかく取得された運転免許のライセンスです。問題なく使用ができますようお気を付け下さい。  無呼吸などの病気があるから免許証を与えない(保留や取り消しなど)ということではありません。十分な治療を受け症状が改善されていればどうぞ遠慮なく免許証をお持ちください! 繰り返しになりますが、治療が不十分であったり服用していない等の状態であれば運転を控えてください(場合により交付の保留)とおっしゃってました。

 

上記内容は栃木県警察本部交通部へ直接伺って確認した内容を基に作成しております。