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院長のひとりごと コラム > インフルエンザと睡眠
2018年11月04日

インフルエンザに限らず風邪をひいたり体調を崩したりした時、誰しもが薬を飲むだけでなくしっかり寝て体調を回復させていることでしょう。では、なぜ寝て治すのでしょうか?

体内にウイルスや菌などの病原体が入り込むと、これと戦うため免疫機能が活発になります。実はこの免疫機能、睡眠と互いに大きな影響力を与えあっているようです。病気に対し睡眠は免疫機能にあらゆる武器を送り込み戦闘力をアップさせます。一方の免疫機能は病気の身体に対し「寝ろ!」という命令を下します。これにより「寝る」という戦闘フィールドにおいて「免疫」という戦闘力は力を最大限に発揮することができ、病気と相対するのです。よって、「寝不足」という状況がそこに存在すると戦闘力は一気に減少し病気に打ち克つことが出来なくなってしまうのです。

実際に睡眠とインフルエンザワクチン接種との間に関係があるかを調べた研究があり、参加者を2つのグループに分け、片方は1日の睡眠時間を4時間とし、もう片方は1日8時間の睡眠時間というように分けました。この睡眠時間の生活を6日間行い、そのあとにインフルエンザワクチンの予防接種を受けてもらう。その後何日かして抗体の付き方を確認し、ワクチンの効果があったかを判断したのでした。すると8時間睡眠をとっていたグループは強い抗体反応がみられ、ワクチンの効力がとても得られた結果でした。ところが4時間睡眠のグループでは抗体反応は弱く、十分寝た人たちと比べ50%ほどの免疫反応しか示しませんでした。つまり「十分な睡眠時間をとっていないとせっかく接種したワクチンも十分な効果を発揮できませんよ!」ということです。
ついに今年、日本は世界(主要28か国中)で最も睡眠時間の短い国となってしまいました(それまでもブービーをひた走っていましたが)。男性が6時間30分、女性が6時間40分とのこと。世界平均が男性7時間7分、女性が7時間26分ですから平均でこれだけ違うというのはかなり深刻な問題です。

以上をふまえると、十分に寝るってとても大切なことなんだな!と何となく分かって頂けたでしょうか。そして、その身体づくりの根幹にあるのが食事です。よって、インフルエンザ感染の予防に重要なのは

  1. 普段の食生活
  2. 十分な睡眠
  3. 正しい手洗い
  4. そして予防接種

というわけです。以前より言われている当たり前の事かもしれませんが、その意味がお分かり頂けましたでしょうか。

でも、あれ? ここでちょっと不思議に思う方もいらっしゃるのでは!?

「うがい」はどうなの?と…

インフルエンザウイルスの感染は鼻の奥や口を開けた奥のつきあたりの粘膜で感染が成立します。その時間、わずか30分だそうです!それをうがいで予防しようとしたら…、30分おきに皆さん、うがいをすることは可能でしょうか?少なくとも私は無理です(笑)。なので、うがいは現実的な効果をなかなか発揮できません。ではどうすればいいか!? 解決に近づけるとしたら30おきに水分を補給してもらう(少量で結構です)。ですので、皆さん可能な範囲でこまめな水分補給をお試しあれ。しかし、鼻の奥はどうしたものか。よく耳鼻科へは「鼻水がのどへ落ちる」という症状で受診される方がいらっしゃいます。これを「後鼻漏」といいますが、実はどんな人も普段から毎日2L近くの後鼻漏があり鼻の奥を洗い流しているのです。この量がさらに多くなったり、粘つきが多くなったりするとイヤな症状として感じられ病院を受診するようになります。正常な後鼻漏はウイルスも押し流してくれているので、これからの季節、鼻の中が乾燥しないようマスクで保湿、保温を是非心がけてください。そして室内の保湿も…!

いま一度「眠る」ということをおろそかにせず、ご自身の睡眠を見直してみてください。