メニュー
☎ 028-633-9115
クリニック案内

院長のひとりごと コラム- column -

花粉よりもっと大敵⁉ 黄砂について考えてみた!
更新日:2023/05/01

今回は、花粉症時期のもう一つの猛威、黄砂についてお伝えしたいと思います。

目次
・はじめに
・黄砂とは、黄砂の粒の大きさは、黄砂が飛散する時期
・黄砂の健康被害
・黄砂の予防対策
・おまけ

・はじめに…

今年のスギ花粉症は、例年と比べ物にならないほど大量に飛散し、症状のひどかった方が後を絶ちませんでした。

そのせいか、「今年から花粉症になったのかも…」、「例年は市販薬で治まっていたのに今年は治まらない…」、「病院で毎年もらっている薬が途中から効かなくなった…」、など「ひどい!」が今年のキーワードだったのではないでしょうか。そんな中、舌下免疫療法をされている方達は明らかに症状の出方が違うことを前回のこのコーナーでお伝えさせていただきました(前回の院長のひとり言をご参照ください)。
スギ花粉が落ち着き始めた4月になると、今度はヒノキの花粉が登場です。スギとヒノキって植物学的に仲間って知ってました⁉

スギはヒノキ科に属するんだそうです。だから、スギ花粉がある人はヒノキの花粉にも反応することがあるんですね。実際には、スギだけ症状が出る人や、ヒノキだけの人、両方とも症状が出る人、どちらの方がより症状が強く出やすいなど、人それぞれです。

そんな大量飛散に加えて、時を同じくして更に大量飛散を認めたのが「黄砂」でした。

そこで、今回は黄砂について知っておきたい情報をお届けしたいと思います。

 

・黄砂とは…

黄砂は、中国の乾燥地帯や蒙古国、シベリア地方などから飛んでくる砂塵のことです。大気中に浮遊している微小な粒子が主成分で、主に春から初夏にかけて、西風に乗って日本に飛来します。放牧している羊がむしゃむしゃ草を食べつくしてしまったため砂漠化してしまった!それが黄砂として飛散してくるとも言われていますね。

黄砂の粒(粒子)の大きさは…

はるばる遠くから風に運ばれてくる黄砂ってどのくらいの大きさなんでしょう。環境省によると、黄砂は4㎛くらいの大きさが多く、その中には2.5㎛を下回る更にさらに小さな粒子が含まれます。2.5㎛以下…⁉ そう!PM2.5です。PM2.5と聞くと、タバコや工場の煙突からの煙、車の排気ガスなど、なんだかとても身体に悪いもの…、そんなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

ところでマイクロメートル(㎛)ってどんなサイズかというと、1/1000mm。つまり0.001mmの大きさです(イメージつきませんよね…😭)。

因みに花粉症の原因、花粉はそのほとんどが20~50㎛(0.02~0.05mm)なんだそうです(国立科学博物館より)

スギの花粉が30~40㎛(0.03~0.04mm)(岡山理科大学より)

髪の毛の太さが80㎛(0.08mm)(Kaoより)

スギ花粉は黄砂の10倍ほど大きく、髪の毛は20倍の太さだとということからも、いかに黄砂がちっちゃいかがお分かりいただけるかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

出典元:東京都環境局

黄砂が飛散する時期

黄砂は気象庁によると2月~5月に多く観測され、4月にそのピークを認めます。つまりスギ花粉~ヒノキ花粉の時期と重なり、黄砂を観測するピークはヒノキの時期と一致することが分かります。

 

 

 

 

 

 

出典元:気象庁


・黄砂の健康被害

微小粒子である黄砂は、吸い込んでしまうと肺胞にまで到達することが知られています。黄砂に含まれる成分には、重金属や有害化学物質も含まれるため、体内に蓄積されると健康に悪影響を与えてしまいます。

鼻や目の症状:花粉よりも小さい黄砂を鼻から吸い込むと、花粉症と同様にくしゃみや水鼻、鼻づまりの原因となります。また、目に入ることで痒みの元にもなりますし、こすってしまうと充血したり、結膜炎の原因にもなります。

呼吸器系への影響;肺胞にまで達する微小粒子である黄砂を吸い込むことで気管支喘息がある方では、喘息発作のリスクとなり得ます。また、黄砂が高濃度で暴露されることにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺炎も悪化するリスクが言われています。

心疾患など循環器疾患への影響:原因はまだよく分かっていませんが、狭心症などの心血管疾患や不整脈、心不全を悪くすることも言われています。

皮膚のかゆみやかぶれ;黄砂が身体に付着することで身体の痒みや赤みを生じることがあります。その場合、金属アレルギーの可能性が言われています。

 

・黄砂の予防対策

PM2.5って、大気汚染やタバコの煙に含まれているものとしてよく取り上げられている時期もありました。つまり、それだけ健康を害するとても小さな物質(粒子)の総称です。

では、どのようにして回避したらいいのでしょうか。

マスクを着用する:但し、隙間から容易に入り込む黄砂は普通のマスクでは十分な予防効果が得られないこともあります。より効果的なマスクとなると、N95のような高性能な防塵マスクになりますが、使用により息苦しさなどを感じることもあるため、長時間の使用には向いていません。

部屋の窓を閉め、空気清浄機を使用する:部屋の窓を閉め、空気清浄機を使用する:窓を開けての換気を控えることが勧められるため、空気清浄機の使用はPM2.5を減らす効果が期待できます。但し、各メーカーにより性能や効果が異なるでしょうから、お求めの際はメーカーや販売店での確認をお願いします。

外出時には、帽子やサングラスを着用する:頻繁にうがいや手洗いを外出時には、帽子やサングラスを着用する: 髪の毛にも同然黄砂は付着します。それを塞ぐためには防止は有効活用したいものです。レザー素材のキャップなどを選ぶと防止に黄砂が付着しづらくなると思います。黄砂が目に入ることを軽減するためにも普段メガネをかけていない方はサングラスも活用してみてはいかがでしょう。
また、衣服についてもウールやファーなど黄砂が付着しやすいものは避けましょう。面素材であっても、表面がザラザラしているものは避けた方が賢明です。目や身体への付着や衣服についた黄砂を家の中に持ち込みづらくするためにも、身体の表面を覆うものはツルツルした素材を選ぶと良さそうですね(これは花粉でも同様のことが言えますが)。
静電気防止スプレーや、顔や髪の毛にかけられるイオンスプレーなども合わせ技として、効果が期待できるかもしれません。

頻繁にうがいや手洗いを:頻繁にうがいや手洗いを:黄砂(や花粉)が多い日は、どれだけ身体への付着や体内への侵入に気を付けても限界があります。そのためにも、付いたもの、含んだであろうものを除去するためにも、うがい、手洗いは小まめに行いましょう。

症状がある場合は、医療機関を受診する:アレルギー症状を中心に色々な症状があるでしょう。よく時期が過ぎるまでひたすら我慢していた!という人がいますが、これはガマンするものではありません。予防的工夫はもちろん行った方がいいですが、出てしまった症状については治療を積極的に行いましょう。

また、環境省から注意喚起のための暫定的な指針が出ていますので、黄砂がとてもひどい日は可能な限り、不要な外出を控えることも対処法として考えて下さい。

 

おまけ

ちなみに、宇都宮の大気汚染についてもリアルタイム大気汚染指数というものがございますので、よろしかったら参考までにどうぞ!

地域によって色々ありそうです… 皆さんの地域でも検索してみてください!

院長のひとりごと コラム一覧に戻る
このページのトップへ戻る