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院長のひとりごと コラム- column -

ジェネリック医薬品に思う
更新日:2010/03/11

ジェネリック医薬品 最近、テレビのCMでも盛んに「ジェネリック」という言葉を耳にするようになりました。この「ジェネリック医薬品」と呼ばれるものは一体何かご存知でしょうか。
内服薬などお薬には大きく分けて「先発品」と呼ばれるものと「後発品」と言われるものの2種類が存在します。「先発品」とは、製薬会社が研究、開発、臨床 試験など長い年月と莫大な費用をかけて、かつ幾つものハードルを越えてやっと発売に至る薬の総称をいいます。そのため製薬会社は開発費用の回収が当然必要 となってきますから、先発品のお薬には特許期間が設けられます。

 一方、「後発品」とは、特許期間がきれた薬の情報は共有されることから、他の会社が同じ構造式のものを作成し販売される薬の総称となります。これらのお薬は成分が先発品と同等ながら当然研究開発費がさほどかかりませんので、薬の単価が安いことが特徴といえます。

 時は民主党政権に代わり、日本のGDP比にしめる医療費は先進諸国の中でまだまだ低く、医療費の予算はもっとつけてしかるべきと声高々に訴えてい たはずが、いつの間にやらトーンダウン! 実際担当してみたら、本当にお金が無かったということでしょうか。何だかんだ言いながら、財務省はもとより、厚 労省も医療費はやはり抑えたい、もしくは現状維持で何とかしたいというのがきっと本音なのでしょう。そこに目をつけたのが、安いジェネリック医薬品の使用 割合を増やし、右肩上がりの医療費を何とか抑えたいということでした(自民党政権時代から既にこの方針ではあったようですが)。

 

 ジェネリックを増やしていただくのは全く結構なのですが、一つ大きな問題があります。それは、名前が多すぎること!! 先発品の場合、病気ごとに 大体使う薬は系統が決まってきますから、耳鼻科の私でも患者さんがよそからもらっているお薬を確認させていただく時、「これは血圧の薬だな!」とか「これ は心臓の薬かな!」と名前で分かることも多かったのですが、ジェネリックは会社が10社あれば、同じ成分のお薬でも10種類の名前がついてきます。先発品 と類似した名前ならまだしも全く想像できないようなものまであり、抗アレルギー薬など自分の領域の薬でさえ、名前を聞いても何の薬か分からないことが増え てまいりました。


 服薬中のお薬の確認はとても重要なことですが、これまですぐに分かったことが分かりづらくなることにより、以下のようなことが連鎖的に発生します。 → 確認作業に時間を要する → すると診察の流れが止まる → 結果、待ち時間が長くなる!
また、中には薬の本を調べても何の薬か不明!なんてものもあります。そうなると、こちらで処方したいものを出していいものか判断がつかなくなり、結果、処方を見送るなんてこともあり、治療ができないという不利益をもたらすこともあります。

 

繰り返すようですがジェネリック、増やしていただいて結構です。ただ、どうせやるならそのあとに何が問題になるか、そこまで考えてから着手しても らえないものでしょうか(お役人さんは名前のことが問題になることは、既に十分分かっておられるはずと思いますが・・・)。ジェネリックの薬剤名、1剤に つき名前を統一して、後ろに会社名を入れるとか、これ何とかならないものですかね!

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